名前はブレから生まれた
1872年、クロード・モネはル・アーヴルの港の日の出を、ゆるく素早い筆致で描き、印象、日の出と名づけました。オレンジ色の太陽とその反射は、どんなディテールよりも重要です。
1874年にパリで開かれた展覧会で、ある批評家がその絵と出品したグループを嘲笑し、「印象派」という呼び名が定着しました。
彼らの目的は、場面の細部ではなく、ある瞬間の印象、つまり光、動き、雰囲気でした。長時間露光も、絵の具の代わりに時間を使って、同じことをします。

太陽と海と人物が、時間によってやわらげられて。
光と動きを描いた六人の画家
ターナーのぼやけた嵐や蒸気が先にありました。この画家たちは、その発想を戸外へ持ち出したのです。
ピエール=オーギュスト・ルノワール
動く群衆に落ちる木漏れ日は、ムーラン・ド・ラ・ギャレットのダンス(1876年)のとおりです。顔はやわらかく、雰囲気は正確です。
エドガー・ドガ
踊り子たちを動きの途中でとらえ、スナップ写真のように切り取りました。彼にとっては、ディテールよりも仕草のほうが大切でした。
階調と仕草:白黒
色がなければ、残るのは腕が描く弧と水面の光だけです。顔や輪郭は、白いドレスと水とかすみに溶けていきます。






筆がしたことを、シャッターもできる
印象派のそれぞれの習慣には、写真での双子のような対応物があります。
| 画家 | 写真家 |
|---|---|
| 目に見える、途切れた筆致 | 流れるモーションブラーの筋 |
| 輪郭線ではなく、やわらかな縁 | 動く被写体にスローシャッターを |
| ディテールより先に、光と色 | 暖かく低い光と、開けた空 |
| 凍りついた瞬間ではなく、ひとときの光 | ワンフレームの中の数秒 |
動く水面に差す暖かな光
モネは光を追いかけました。カメラならもっと速く追えますが、本能は同じです。手をつないだ人物たちはその場にとどまり、そのまわりで水が砕け、ドレスと波は最後の暖かい光を受けとめます。






シャッターで描く
印象派的な写真のための四つの習慣。
シャッターを遅くします。目安は1/4秒から1秒ほどで、動きが流れて線になる程度です。明るい光の下ではNDフィルターを加えます。ストップ計算は長時間露光のレッスンで紹介しています。
被写体を動かします。くるりと回る、歩く、腕を振るなどをお願いしてみてください。水や風も、それぞれの動きを加えてくれます。
ひとつは静止させます。カメラをしっかり構えて水平線を水平に保てば、ブレが寄りかかる基準になります。
たくさん撮ります。ほとんどは外れます。仕草が伝わり、光が合っている一枚を残します。
筆づかいとしての動き
ブレが動きを伝え、顔と光が気持ちを伝えます。



色を、強めに
力強い青と青緑。ソローリャが描いた、浜辺の明るい光です。長い色の帯を背景に素早く動く人物たち、そして海が筋になって流れ去る中、ひとりだけ静止している人物。






ぼやけた笑い声
顔ははっきり見えたまま、周りのすべてが動きます。時間が筆になります。



ストリート写真の印象派
ビーチがなくても、街は同じ働きをします。人混み、ガラス、映り込み、通り過ぎる光が細部をぼかし、その瞬間の空気だけを残します。ここにあるのは、細部よりも印象が勝ったフレームです。









